Something Blue (A Wedding Portrait)

Something Blue (A Wedding Portrait)

2013-03-29

Japanese Style Painting 再び 和風で描いてみました

 
豪州のタマネギは、日本のものに比べるとマイルドな味。


It's Easter holiday here in Australia.

The weather is so nice and I hope it lasts during 2 weeks time. 
We had a long rainy days last couple of months in Brisbane.
For sure, we needs umbrellas a lot more than we used to live in this city.

Here are the quick paintings with my way in Japanese style.
These vegetables are all grown in Australia.
We order vegetables from an organic farm service called "Food Connect".
They are pretty popular in Brisbane.
You can join the member & order not only vegetables but also fruits, milk(other dairy foods), eggs, rice, bread etc.
Please have a look at this site.


最近、ヘタを取って 色で食べ頃を確認する方法も知りました。




このカボチャは"Jap Pumpkin"と呼ばれているので 名前を変えさせたい。

2013-01-29

Visiting Iwaki Again いわき市立豊間小学校へ (福島県 いわき市 平薄磯)




Hi, how are you doing these days?

This is the first update in 2013.
I spent about whole month from mid December to mid January in my home country Japan.
I would like to say thank you to all people whom I saw/met over in Japan.
I had a really really great time.

I also had my eyes operated on again and it went well.
I'm waiting for the recovery at the moment.
I'm looking forward to draw/paint pictures very soon!

This time, I'd like you to know about what's been happening since the Earthquake/Tsunami/Nuclear disaster in 11th of March 2011 especially about an elementary(primary) school in Iwaki-City in Fukushima prefecture.
The name of the school is Toyoma Elementary School.

I went Iwaki about one and half years ago.
It was about 3 months after that disaster.
The school building was damaged by the Earthquake/Tsunami, so the school kids had to move to another place to study.
I went to the place where the kids were studying, the place is Takaku Elementary School.
Location of the school is a bit further in from the coast.
They were studying on the corridors of the class rooms because there was nowhere else to have the classes.

Last year, the original school building was fixed/repaired to use and the people could go back to their place again.
I'm so happy to hear that.

When I visited the school this time, the junior high school students were also studying at the same elementary school building.
Because, their original school building is very close to the coast and it is too much dameged to use.
I talked to Mr Muraoka the deputy/vice‐principal of the school.
I was highly welcomed by him and we talked over an hour.
He explained me the situation about the environment and society of Iwaki area and especially about school kids.
He said "What's the most grateful thing supporting us mentally is to see our kids are living so energetically making it seem like it's exactly the same as was seen before the disaster."
He also said "We have faith in a future here, so we decided to stay on here. This school has come to symbolise our faith and will give us the strength to rebuild and carry on."

Many people is still coming from every places in Japan and whole world to support Tohoku area.
I'd also like to do some constant help somehow.

I'll show you some photos around this area with comments (in Japanese though).



2013年も早いもので 2月も中旬を過ぎました。

おかげさまで1月に目の手術も無事に終わり、現在は順調に視力の回復を待っているところです。
あたたかい声を掛けていただいた方々 お一人お一人に心からお礼を申し上げます。
どうもありがとうございます。

前回 1年半前に受けた レーザー治療の結果が十分でなかったため、 今回 再手術を受けた訳ですが、手術の方法が ラゼックと呼ばれるもので、眼球の表面の膜を除去してレーザー手術を行うため、膜が自然に再生するまで 本来の視力の回復には 大体3ヶ月から6ヶ月程かかってしまいます。

このブログを書いている今現在で、ちょうど1ヶ月が経ちました。
担当をしていただいた執刀医師によると、手元から徐々に遠くまで見えてゆくそうですが、その通り 少しずつ見えてきています。
今の視力はおそらく0.4~0.5位でしょう。

手元は何とか見えますから、静物画などから描き始めています。
またこのブログで お目にかけたいと思っています。


描いた後、とても美味しくいただきました。



さて、もうすぐ 東日本大震災から 2年が経とうとしています。
今回の更新では、再び訪れた福島県いわき市の薄磯地区についてのご報告をいたします。

震災から3ヶ月後の2011年6月に 初めて被災地に訪れたことを、以前 このブログにも書きました。http://gatashan48.blogspot.com.au/2012/03/311-246pm.html
震災の翌月に 娘の通うブリスベンの小学校が全校を挙げてチャリティの催しを開いてくれたとき、オーストラリアの小学生達が、震災の被害を受けた日本の同じ小学生へ向けて 沢山の励ましのメッセージを書き込んだ 大きな折り鶴を ぼくが日本人を代表して受け取りました。
それをお渡ししたのが、このいわき市立豊間小学校の皆さんでした。
当時 生徒の皆さんは、内陸側にある 高久小学校の校舎を借り、廊下などで授業を受けていました。
その豊間小学校の皆さんが、昨年 本来の校舎に戻ることができたと知り、今回は そちらへお邪魔しました。

校長の水谷先生が 丁度不在だったため、教頭の村岡先生が お忙しい中にもかかわらず 貴重な時間を割いて下さいました。
伺ってわかったのは、 豊間中学校の生徒の皆さんもこちらの小学校で一緒に勉強していることでした。
中学校の校舎は、海岸のすぐ近くで 建物にかなりのダメージあることと、周辺が緑地化されることもあり、取り壊されることになっています。

現在の小学校や地域の様子などについて1時間以上お話を伺いました。
村岡先生は、日本各地そして世界中の国や地域からの支援や励ましなどが 現在も続いていることに 感謝の言葉を述べられました。
ぼく自身も、なかなか進まない被災地の復興、復旧の現状を 現地の方の口から直に聴くことの重要性を噛みしめながら、ささやかながらぼく個人ができることを 震災当時の気持ちを忘れずに 思いを新たにして考えていこうと思います。

村岡先生の言葉がとても印象に残っています。

「子供たちが、見た目には震災以前と全く変わらなく生活をしていることが 我々の救いです。もしかすると 本当にそう見えるだけかもしれないのだけど。」

ぼくは、ここに暮らす大人たちが 生きる勇気や元気を 子供たちから貰っているということを、痛いほど感じました。
その意味で この小学校が この地域の復興あるいは復旧の実質的なシンボルになっているのです。

もともと この周辺地域は、水産加工が盛んな場所です。
海水の汚染状況が把握できないこともあり、今のところ再開の目処が全くたっていないそうです。
不安材料を挙げれば、きりがない状態です。
就労問題、なかなか進まない除染の問題、健康被害の状況、子供たちをはじめ住民の皆さんの心のケアの問題...

”ここで生きていく”という覚悟もこの地域の方々の共通する思いです。
「間違っていけないのは、そうでない生き方もまたあるということです。それは他の場所に逃げるのではなく あくまでも個々の状況や考えの中での自由な選択として 尊重されなければなりません。」

ここオーストラリアにも 日本から避難されて来た 乳幼児を持つ母親が複数いらっしゃって、ホームステイ先などを探すお手伝いをしたことがあります。
その皆さんが日本を出る際、家族以外の周りの方々に海外へ行くとはどうしても言えなかったと 口を揃えておっしゃっていました。
震災当時は、政府の情報が全く信じられないため、そのような判断が当然あって仕方ない状況だったと思います。

人にはそれぞれの生きる環境や状況があり、その中で我々は社会的な役割を最優先しなければならない、日本人はそう信じて生きている人が多いと思います。
いわゆる、できるだけ人に迷惑をかけない という生き方です。
海外の人々が、震災時の日本人の落ち着いた行動に大変な感銘を受けたのも そういう高いレベルのモラルに対してだったのかもしれません。

ただ ぼくが確信するのは、人と人との信頼感が根底にあって初めて それが大衆のレベルで あの時点、あの地域での災害時に機能したいう事実です。
日本の社会の中で価値観がどんどん多様化して来ています。
もしこれから起こるかもしれない 首都圏での有事の際には、それが果たして期待できるでしょうか。

今の日本は、このまま漠然とした社会不安が続いて 大衆心理が思わぬ方向に傾けば、ある時点で保たれていた一定の秩序が ちょっとした出来事が引き金となり一気に転覆して パニックで収集がつかなくなってしまう可能性を秘めています。

日本人としての我々がこれまで長い間 見て見ぬ振りをしてきたことを、一人一人の国民が心から自覚し 反省をして改善への努力を続けていく。
それを我々の若い世代の繁栄のために繋げていかなくてはならない。
それが、我々大人が より良い未来へ最優先でやるべき事柄です。
だから、個々の我々が これだけは絶対に譲れないという志を それぞれの自身の中に見つけて、それに目覚めたなら 実際の行動に移して生きていく。

個々にその生き方の判断を委ねるとは、主体性のある さらに人としてお互いの信頼感に基づく相対性をも併せ持った 古くから脈々と流れる日本の誇るべき代表的な価値観です。

村岡先生は、まさにこういう価値観をそのお人柄から感じられるような方でした。
残念ながら ここでは紹介ができませんが、 個人的お話までしていただいたのです。
先生のお話を伺って 本当に胸が熱くなりました。

考えてみれば、ぼくは幸運です。
そういう方との出会いが最近よくあるのです。
皆さんとのふれあいで、大切なこと気づかされる機会がとても多いのです。
実際には、以前からぼくの周りに 素晴らしい人が沢山いることにも 改めて感謝しなければなりません。
この場を借りて 家族、友人、知人の皆さんにもお礼を言いたいと思います。

このブログを読んでいただいたあなたも、ぜひ東北の被災地に実際に足を運んでみて下さい。
きっと、心に残る出会いがあります。


子供たちの元気な声を 背中で聞きながら 小学校を後にして、しばらく周辺を歩いてみました。
印象深い風景の写真を、コメント付きで掲載します。
少しでも ぼくの今の思いが 皆さんに伝わるなら幸いです。

また、オーストラリアから帰省した際に ここに戻って来ようと思います。


平成25年 1月 18日 いわき市平薄磯にて


ソーラー環境放射線測定器。当日の放射線量は0.194μSv/h。


帰り際、粉雪が微かに舞い降りてきました。

いわき市立豊間小学校 オフィシャル・ホームページ


小学校のすぐ近くにあった 集合住宅。


1階手前の窓から覗くと、未だ 震災当時のまま。


小学校から徒歩2~3分、日本の渚百選 鳴き砂で有名な薄磯海岸。素晴らしい眺め。


福島県内 2012年のシーズン、ほとんどの海水浴場は 残念ながら閉鎖。


美空ひばりさん ゆかりの像。近づくと『悲しき口笛』が流れてきました。

「悲しき口笛」美空ひばり



何事もなかったかのように 引いては寄せる波。


映画『喜びも悲しみも幾歳月』が生まれるきっかけとなった、塩屋崎灯台。

1957年(昭和32年) - 映画「喜びも悲しみも幾歳月」(松竹映画作品、木下惠介監督)が公開され、主題歌共々日本国内で全国的ヒット。灯台職員とその家族が日本全国の辺地の灯台勤務で積み重ねる、長い人生の哀歓を描いた映画作品である。本作は当時の塩屋埼灯台長夫人・田中きよの手記「海を守る夫とともに20年」(雑誌「婦人倶楽部」寄稿、1956年8月号に掲載)から原案を得た内容で、映画には塩屋埼灯台もロケーションで登場した。
(※ウィキペディアより抜粋)


無残に住宅の基礎がむき出しのまま。この一帯は緑地に変わる予定。


灯台口から、猫がずっと後を着けてきました。


堤防には、子供たちが描いた壁画。力強いエネルギーを感じます。


薄磯支援センターで、NPOの方から 復興の現状についてお話を伺いました。
 
建物の外で写真を撮っていると、ドアから声を掛けていただき、温かい飲み物のおもてなしを受けました。
対応していただいたその女性は、震災直後 NPOのボランティアで大阪から駆けつけ そのままずっとこちらに住んでいらっしゃいます。

豊間小学校では、2名のお子さんが犠牲になられましたが、その中の1人の女の子が描いたカラフルで素晴らしい絵が 室内に飾ってありました。

偶然 同じオーストラリア(シドニー)から見えた 姉妹のような日本人の親子や 日本語が堪能なアメリカのバーモント州出身の女性ともお話ししました。
世界中から沢山の人たちが この場所を訪れているそうです。


JRいわき駅。今回は東京駅八重洲口から直行の高速バスで約3時間。とても便利。

JR ジェイアールバス関東株式会社




薄磯地区を多く記録されている いわき市出身の高橋 智裕 氏の写真、映像の作品を ぜひご覧下さい。

いわきのフォトジャーナリスト 高橋智裕 公式サイト
Photographer & Journalist Tomohiro Takahashi Photo Gallery Official Site




「きっと、わらえる 2021」~今、つたえたいこと~

2011年10月7日 福島県いわき市立豊間小学校

東日本大震災で被害を受けた宮城・岩手・福島の学校を対象に、子ども達に笑顔と元気を取り戻してもらう事を目的としたワークショッププログラム
「きっとわらえる 2021」で「今、つたえたいこと」
をテーマに子ども達がメッセージ映像を制作しました。
3回目は福島県いわき市立豊間小学校のみなさんの作品をご紹介します。




最後に、東日本大震災から2年を迎えるにあたって、震災などによりお亡くなりになられた方々に深く哀悼の意を表し、ご遺族の皆様、そしてさまざまなかたちで被災された多くの方々のお痛みに対して、心よりお労り申し上げます。


皇紀2673年(平成25年) 2月 16日

2012-12-07

Hot Christmas in Brisbane! ブリスベンの暑い熱いクリスマス


Brisbane is getting much hotter these days!

Even our family's lovely dog 'Shelby' doesn't want to go for a walk with me at 3 o'clock in the afternoon.
Grass is growing so fast, so I have to mow my back yard frequently.
This is Queensland!

I've been very busy on this hot(!) Christmas season doing my art and other domestic /social events etc.
I just finished my new art works  and I'll show you them as works in progress, too.
 

Story Bridge & Jacaranda - Drawing (420mm×594mm) ball-point pen on paper




Story Bridge & Jacaranda 1 (420mm×594mm) ball-point pen and water colour on paper


Story Bridge & Jacaranda 2 (420mm×594mm) ball-point pen and water colour on paper


This time it took me so long to draw the picture (about a month!), but I had to finish 2 paintings with the same theme.
I asked the art print company in South Brisbane called "Worldwide" to make a copy of the base drawing  in black & white on watercolour paper.
http://www.worldwide.com.au/centre/south-brisbane

Each 2 paintings are coloured by me, so both are originals.

Which painting do you prefer?



12月になり、ますますブリスベンは 暑さが本格的になってきました。

いよいよ夏本番ですが、この暑さは 我が家の愛犬(シェルビー)でさえ 娘が通う小学校への午後のお迎えの時間(3時頃)に 大好きな散歩に出かけるのを嫌がるほど。

自転車や車に乗って、坂が多いブリスベンでのアップダウンのスラローム中に 特にピークに達するまでの上り坂の途中、アスファルトから立ち昇る熱気が生み出す陽炎(かげろう)は 向こう側の景色を白昼夢のごとくゆらめかせます。

そうそう 今思い出したのが、オーストラリア人、特にクイーンズランダー(クイーンズランド州の住民)は 昔みんな平気で 外を裸足で歩いていたそうです。
ビーチに近いところに住む人々は 今でも周辺を平気に裸足で歩いています。
因みに どんなに鍛えた足の裏でも、夏場の日中のアスファルトはいくらなんでも熱すぎるから、みんなコンクリートの歩道縁を歩いています。
ぼくはさすがに一回きりで 二度とやろうとは思いませんでしたが、九州での小学校時代なら、冬を除いて裸足で学校生活をしていて 相当に足の裏が固く丈夫でしたから、全くこちらでも適応できたでしょう。

オーストラリアに越して間もなかった10年近く前、今でも強く印象深く脳裏に残っているのは、スレンダーなブロンドの髪の少女が 街中を裸足で歩いている姿でした。
亜熱帯のこの地域で 人種的には場違いとも思えるギャップを とても快く美しく感じたことを覚えています。
そんなぼくは 極寒の雪の多い地域に何世代も暮らす黒人たちにも同じようなギャップの美しさを感じるかもしれません。
そういう意味においてアジア系は、熱帯でも極寒の地でもあまり違和感がないから面白みに欠けるかもしれませんね。

少し本題からそれました。

ともかくこれからは、芝生も伸び放題ですから、頻繁に芝刈りもしなくてはなりません。
これこそ、亜熱帯クイーンズランド州!


クライアントから 同じテーマで2枚 絵の依頼を受けましたが、ジャカランダを画面に加えてみました。
今回 掲載した作品は、ドローイングに1ヶ月もかかってしまったため、予定を変えて線画を水彩紙にプリントをしてから、2枚それぞれに着彩をすることにしました。
全体の雰囲気が少しづつ違っているのがわかりますか?
色を塗るのは楽しいものです。
まるで、苦労して作り上げた楽譜に歌を吹き込むような、感触がありました。

知りませんでしたが、日本で大人の塗り絵が一般に広がって 人気を集めている様ですね。
カラオケを楽しむように、塗り絵を楽しむ感覚が 初めて自分が描いたものを通して感じることができました。
不思議な新鮮さです。
版画をされる作家の方などは これと同じ感覚があるでしょうか。
これからのぼくの活動にも何らかのヒントになるかもしれません。

ところで、私事ですが...
来年1月に目の再手術を受けます。
現在の強い乱視が改善することを期待しています。

今年1年は絵が量産できなかった分、違う手法の経験を積むことはできたと思います。
来年は日本の風景を本格的に取り組んでいきます。

いつも、ブログを見ていただき本当にありがとうございます。

この場をかりて心よりお礼を申し上げます。

それでは、皆様 よいクリスマスとお正月をお過ごしください。


2012年 12月 7日

2012-10-17

Here Comes Jacaranda Season! ブリスベンは今、ジャカランダの花が満開!


Early summer has come to Australia!
As I drive my car, it's really fun to see the beautiful Jacaranda blossoms down the roads everywhere in Brisbane.

When I sketch outside these days, sometimes I feel it's too hot to draw a picture standing under the sun!
I wish I can sketch another few weeks, because I got plenty artworks to do.
However, it's good for me eventually when I feel the atmosphere and my feelings directly appear on my paintings.


オーストラリアは、もう初夏の様相です。
ブリスベンを車で移動していると、あちこちで青紫の美しいジャカランダの花を見かけます。
ジャカランダはここクイーンズランド州はもちろん、遠く離れた南アフリカなどでもとても有名な花で、世界各地の温暖な都市や地域に広がっています。

Webの複数のサイトから、ジャカランダについて調べてみました。

Jacaranda mimosifolia (J.Ovalfolia)
ジャカランダ・ミモシフォリア(桐擬=キリモドキブルージャカランダ)
ノウゼンカズラ科ジャカランダ属の常緑高木で、学名は Jacarandasp(属の総称)。
原産地は中米、カリブ海、南米西部。アルゼンチン、ボリビア、ブラジルなどに49種ほどが分布。
ホウオウボク・カエンボクと並び世界三大花木の一つ。
花が非常に華やかなので、世界の熱帯・亜熱帯で街路樹として広く栽培される。
ジャカランダのもともとの意味は「楽しい歌」。花言葉は「栄光と名誉」。

日本でも、暖かい地方では見られるようですね。
http://www.tropical-nango.jp/Jacaranda.html

日本人ならこの花から桜の雰囲気を感じとりますが、桜と違って 咲いている時期は割と長く、大体2ヶ月は楽しめます。
ここブリスベンで、一番見頃の満開の時期は、ちょうど今。
桜並木ならぬジャカランダ並木を、ぼくも十分に満喫したいと思います。
ブリスベンなら、UQ(クイーンズランド大学)の並木の景観がおすすめです。


どうですか、いい感じでしょ?

公園などでお花見をするのもいいアイデアです。
日本酒やシャンパンにジャカランダの花を浮かべて楽しむなんていいかもしれません。
ただ、桜吹雪は後から臭ったりはしませんが、ジャカランダの花が散った後、よく現地の人たちは、時間が経つと微かに”猫のおしっこ”のような臭いがすると言います。
言われてみればそんな気もしますが、そんなにひどく臭うわけではありませんよ。

もともとこの樹木は、中南米が原産です。
近年は豪州の方針で、少なくなったネイティブの植樹を広げることが奨励されているので、残念ながら新たにジャカランダの苗木を植樹することはできません。
しかし、ジャカランダは間違いなくこの土地に定着し、人々に愛される樹木としてこれからも毎年我々を楽しませてくれることでしょう。

2012年 10月 18日


※トップに掲載した絵は、注文をいただき、昨日仕上がったばかりのストーリー・ブリッジとシティの景観です。
描いている時は、暑くて大変でしたが、そんな感じが伝わるでしょうか?

Story Bridge & CBD
40.5cm×58.0cm
Ink and Watercolour on paper


※ 前回の問題:「5枚の絵の中で、ドーサ引きの色紙は、さてどれでしょうか?
正解は「Glow Vine サリタエア・マグニフィカ」を描いた上から2番目に掲載した色紙です。
ドーサ引きのある色紙は、全く水彩が滲みませんでした。
 

2012-10-05

Painting on Authentic Japanese Paper 書画用色紙(和紙)への水彩の試み (追記あり)


The other day, I got a job from a Japanese tea master who lives in the same suburb (Tarragindi, Brisbane).
She asked me to paint on authentic Japanese paper pad which she has.
It's almost first time for me to do it, but sounds very interesting.

After I came back home, I started to paint it with my own way as usual. 
However, the paint spreads differently (much wider) from the water-colour paper pad that I usually use.
So I changed my mind and decided to just enjoy the feeling of it. 
You can recognise the effect of each painting, can you?

It's always exciting when you take on the challenge of trying something new.
I appreciate having such a beautiful opportunity this time.


















先日、同じブリスベンの郊外(Tarragindi)にお住まいになる 表千家のお茶の先生から、お持ちの書画用の色紙へ、何か夏らしい絵柄と冬らしい絵柄を描いてもらえないかとのご依頼を承りました。

早速 自宅へお預かりした5枚の色紙を持ち帰り、いつも通りに一気に描いてみたら、水彩絵の具の滲み具合が、通常使用している水彩紙(アルシュなど)と比べて随分違います。
引き続き、いつも使用しているラウニー製ハーフパン固形水彩絵の具で、紙質の違いを確かめてみることにしました。


通常、画用和紙は水彩紙(洋紙)に比べて液体の滲みが広がりやすくなっています。
今回、お預かりした書画用の色紙は、5枚中1枚だけがドーサ引きのものでした。


本画では、和紙への ”絵の具 滲み” を防ぐために、ミョウバンと(にかわ)の混合液である「礬水(どうさ)= ドーサ」を和紙に塗ります。
近年では、画用和紙や書画用の色紙などでも、あらかじめドーサ引きが施してあるものが市販されていたり、日本画で使用する岩絵の具の顔料にも、膠が含まれたものがあるので、表現のねらいによって紙や絵の具の選び方も変わり、使い方も様々です。
結局、あまり深く考えず滲み方の違いを楽しみながら、自宅の庭や近所から摘んできた草花などをモチーフにして仕上げてみました。

新しい試みはいつも新鮮です。
これから少し表現の幅が広がりそうです。
このような機会に恵まれたことにとても感謝をしています。

最後に...5枚の絵の中で、ドーサ引きの色紙は、さてどれでしょうか?
正解は、次回の投稿に掲載しますね。


※作品は上から順に、


Wild Iris(Fortnight Lily, Cape Iris)
ディエテス・イリディオイデス(アフリカアヤメ)
Size : 24.1cm × 27.2cm Ink & Watercolours on Japanese Paper Pad
科属名:アヤメ科ディエテス属 常緑多年草
学名:Dietes iridioides
原産地:アフリカ(アフリカの東部、ケニアから南アフリカにかけて分布)

Glow Vine サリタエア・マグニフィカ 
Size : 24.1cm × 27.2cm Ink & Watercolours on Japanese Paper Pad
科属名:ノウゼンカズラ科サリタエア属 熱帯植物
学名:Saritaea magnifica
原産地:コロンビア


Hibiscus  ハイビスカス
Size : 24.1cm × 27.2cm Ink & Watercolours on Japanese Paper Pad
科属名:アオイ科フヨウ属 熱帯植物
学名:Hibiscus hybrids (ヒビスクス)
原産地:ハワイ 

Camellia  カメリア(寒椿)
Size : 24.1cm × 27.2cm Ink & Watercolours on Japanese Paper Pad
科属名:ツバキ科ツバキ属 常緑低木
学名: Camellia hiemalis
原産地:日本


Camellia &  Dipping Cup for Soba (Buckwheat Noodles)
山茶花(さざんか)と蕎麦猪口
Size : 24.1cm × 27.2cm Ink & Watercolours on Japanese Paper Pad
科属名:ツバキ科ツバキ属 常緑低木
学名: Camellia sasanqua
原産地:日本


2012-09-30

GUINNESS' WORLD RECORD LIFE DRAWING ヌードデッサン会 - ギネス・ブックに挑戦



A while ago, I updated a story about life drawing class in Brisbane.

The 2nd attempt at the Guinness' world record for the largest life drawing event is coming up soon!
Here are the details of this event.


Tuesday 9th October
at
GREEK CLUB
 29 Edmonston St. South Brisbane

6pm for 7pm start

$10 entry
(includes drawing pack + Art Shed voucher totalling $20)


TARGET: over 1000 !
 
tell everyone
 
ART GROUPS & STUDENTS (over 16)
 
welcome



WANTED 
A journalist is looking for World Record Life Drawing participants who live in any of these postcode areas: 4035, 4036, 4037, 4054, 4055, 4500, 4502, 4503, 4520, 4521. Those interested in being part of the story please email Dr Manny: manuel@circlegallery.com.au












以前に、このブログで紹介したヌード・デッサン会ですが、これを運営している"Art Shed Brisbane" http://www.artshedbrisbane.com.au/ が、2回目のギネス・ブック記録に挑みます。

今回は1,000人越えに挑戦する意気込みです。

正直言うと、人が集まりすぎて落ち着いて描けるのか心配ですが、時々は"お祭り気分を味わう"という意味で、こんなイベントもありかもしれません。

しかし、こういうイベントは日本では全く実現しそうにないので、とても興味深く感じます。
ここブリスベンでは、アートは鑑賞するだけではなく 積極的にそれに参加しようとする気概に溢れています。

昨年の年末から3ヶ月間程、ブリスベンのGOMA(Gallery of Modern Art)で アンリ・マティスの素描展が開催され 大盛況でしたが、そのタイミングとこの参加型のイベントがうまくマッチして、本当に大勢の人々がドローイングの魅力の虜になったようです。

5年程前にぼくがこのクラスに参加したときは、30名程の人数しかいない こじんまりとした雰囲気でしたが、このところ通常の週1回のクラスでも常時100名以上は参加しています。

世界に向けて、こんな芸術を愛するユニークな都市として イベント発信をするのは、凄く誇らしいことですよね!

こちらはテレビのニュースで取り上げられた、前回の挑戦の模様です。
http://www.vision6.com.au/download/files/09246/1765425/MediaClips_ASB01_ArtShedBris_9NewsBRS_07Mar2012_DrawRecord.wmv

10月9日(火)にサウスブリスベンのグリーク・クラブで行われます。
参加費用は $10です。
開場は6時、スタートは7時から。

ブリスベンのお近くにお住まいの方は、この素晴らしいイベントにぜひ参加してみませんか!


※上に掲載した2枚のドローイングは、ぼくが先日のクラスで描いた作品です。
時間:15分
サイズ:29.7cm × 42.0cm
水彩紙に、水性ボールペンと水彩ウォッシュ


2012-07-13

Making a Piñata! ピニャータの作り方


The other day, for the very first time, I tried making a Piñata for my 6 year-daughter's birthday Party.
I've never heard of this before living in Australia.
If you are invited a kid's Birthday party in here, you'll see this enjoyable ceremony of breaking a Piñata.

The piñata is most strongly identified with Mexico.
http://en.wikipedia.org/wiki/Pi%C3%B1ata
Piñatas are similarly popular in a number of other Latin American countries as well. They have also become relatively popular in the United States as well.
So, obviously the piñata in Australia is influenced by the US.

By the way, In Japan, a similar game called suikawari is played where a watermelon is used.
Normally, it's played in summer time on the beach, and we share it together.

I decided to make a piñata in a traditional way this time.
The Mexican Catholic interpretation of the piñata rested on the struggle of man against temptation.
The seven points represent the seven deadly sins. (The currently recognized version of the sins are usually given as wrath, greed, sloth, pride, lust, envy, and gluttony.)
The pot represents evil and the seasonal fruit and candy inside the temptations of evil.
As the participant beats the piñata, it is supposed to represent the struggle against temptation and evil.
When the piñata breaks, the treats inside then represent the rewards of keeping the faith. (Sounds good!)

Why don't you enjoy making a Piñata for your kid's next birthday party.
When you see the moment of breaking a Piñata is just incredible!
(Don't buy one from the shops... they don't break beautifully.)

How to Make a Piñata
http://www.wikihow.com/Make-a-Pi%C3%B1ata

風船を膨らまして その上から小麦粉の糊で新聞紙を貼り 乾燥させる

Tear some newspaper into strips, 1 inch or 1 1/2 inches wide.
Smear these strips with the flour glue to make papier-mâché.
Lay down strips all over the balloon until it is completely covered in a thick layer of papier-mâché.

You will need to complete this step 3 or 4 times until the piñata is hard and durable. Let one layer dry until most of it is consistently hard before adding the next layer.



先日、ピニャータ作りに初めて挑戦しました。
娘の6歳の誕生日会に間に合うように準備しましたが、天気が悪く乾燥するのにかなり日数がかかり、やっとギリギリ間に合いました。
ぼくは、オーストラリアで初めてこの"ピニャータ"なるものを知りましたが、娘の友達の誕生日会に呼ばれる度に、目にするようになっていました。

ピニャータをWEBで調べると、長い歴史があり、個人的にとても興味が湧いてきました。
起源には諸説あるようですが、現在の形になったのは16世紀以降にメキシコに伝わってからだそうです。
http://www.mexconnect.com/articles/459-history-of-the-pi%C3%B1ata

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%8B%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%BF

それが米国へ広がり、その後ここオーストラリアにも波及したのでしょう。
日本でも近年認知されていますが、そんなに一般的ではないようですね。
日本には、皆さんご存知の"スイカ割り"がありますが、ピニャータはこれに少し似ています。 

最近はピニャータの形も様々なものがあり、市販もされています(叩いてもなかなか壊れない!)。
今回、手作りに挑戦してみようと思い、どうせ作るなら伝統的なものにしたかったので、WEBでいろいろ調べてみました。
参考の一つにしたのはこのサイトです。
http://blog.goo.ne.jp/lychee_mx/e/95bad38f5d8a63b7adccffe1119b988e

メキシコでは、キリスト教の考え方に倣って、徐々にピニャータにもそれなりの意味が与えられたようです。
本体の器 = 悪魔の象徴
器から出た7つの円錐形の突起 = カトリックの定義する人間の7つの原罪(傲慢・憤怒・怠惰・強欲・暴食・色欲・嫉妬)を表す

目隠しをして同じ場所でグルグル回されて、皆の声援の中 ピニャータめがけて3回 棒で叩くことが出来ます。
最終的に本体を叩き壊すと、中からたくさんのキャンディが飛び出してきます。
この叩き壊すこと自体が悪魔に打ち勝つ行動的象徴となり、見事に神への信仰(?)を遂げた者が "おいしい見返り"= キャンディを得られるのです。


散らばったキャンディへ ピラニアのように群がる子供たち

割れた後の 無残なピニャータ

今回は、割れるタイミングもバッチリで、それはもう大成功に終わりました。
子供たちも大喜びだったので、時間をかけて作った甲斐がありました。
実は、失敗した時のため、市販のピニャータも用意していたのですが、嬉しいことにそれは今回使わずに済みました。

子供さんのいらっしゃるご家庭の皆さん、手作りのピニャータにぜひ挑戦してみてはいかがでしょう?
市販のものに比べると、その壊れ方は感動的です!

楽しそうな子供たちの笑顔が浮かんできますね。

2012年 7月 13日(金)

2012-07-05

1Q84 - A Letter to Ms. Y (Yさんへの手紙 - 村上春樹『1Q84』/空気さなぎの解釈)



How are you?

After the long rain about a week, I'm enjoying this lovely weather under the blue sky.
What a beautiful winter season in Brisbane!

It's been a while since I updated this Art Blog.
I've been painting the Story Bridge again and I just finished it.
I added the moon in the painting inspired by the novel "1Q84" .
This is the typical crescent moon in Brisbane looks like a dish.
We never see this angle of the moon in Japan.
When I saw this shape of the moon for the first time in here, I just had a feeling something is wrong!

A while ago, I unexpectedly met a person again on e-mail after 27 years!
She saw my painting on the web by chance, she also found my Art Blog and e-mailed me.
We first met in Tokyo in 1985.
I was just reading Haruki Murakami's novel "1Q84" at the same time she e-mailed me.
This is the part of the letter I e-mailed her about 2 months ago.

Spoilers ahead!
If you don't mind that, then read after highlight the text to read it (colour inverting).
If you don't read Japanese, please don't worry about it.




みなさん、お元気ですか?

先週の1週間に渡って降り続いた長雨の後、雲一つ無い青空がここブリスベンに広がっています。

久しぶりにブログを更新します。
今回の新作は、またもストーリー・ブリッジ。
先日読み終えた、村上春樹氏の"1Q84"に触発されて、画面上に月も加えてみました。
この三日月の傾き具合は、ブリスベンでよく見られる角度なのですが、日本では全く見られません。
ぼくは、この角度の三日月を初めて見たとき、とても違和感がありました。
オーストラリア人に三日月を描かせたら、きっとこのお皿みたいに描くでしょう。
日本人だったら、もう少し立てて描きますよね~、花王のマークみたいに。

さて、少し前になりますが、ある方と27年ぶりにメール上で再会することができました。
Yさんとぼくは、丁度この小説の設定の時代に仕事場を通じて知り合っています。
Yさんは、ネット上で偶然にぼくの絵を見かけられたそうです。
そしてぼく宛にわざわざ連絡をしてくださいました。
アート・ブログを始めて良かったと本当に嬉しく思います。

以下の手紙は、今から2ヶ月程前にぼくがYさんに宛てて書いたものの一部です。
小説を読んだ皆さんとも共有したかったので、Yさんには了解を得て、ここに公開します。

※注意: この先、1Q84についてのネタバレがあります。 
大丈夫な方はドラッグ(反転)して読んでください。
最後部には、この絵の説明などのコメントを載せていますので、反転部分を読まない方は飛ばして下さいね。

Yさん


お元気ですか。
こちらはめっきり朝夕と冷え込む季節になりました。
でも、日中は暖かいのでとても過ごしやすく、晩秋から初冬にかけてのこの時期はぼくの大好きな季節です。
先日は印象深いメールをありがとうございます。とても深く何度も読ませていただきました。それから、ぼくのブログについても触れていただいてとても嬉しく思います。

さて、先日やっと1Q84を読み終えました。
実は、Book 1では物語にあまりリアリティがなく感じて、そんなにはのめり込めなかったのですが、Book 2からは、それまで伏線だった話がどんどん互いにリンクしはじめ、読み進む度に面白くなり、さらにちょうどその頃、偶然にYさんからご連絡をいただいたこともあって、そこから先は、小説の世界にどっぷり浸かりながらBook 3まで読み終えました。


読み終えての感想ですが、さすがに人気作家らしい読みやすさと、まるで映画を観ているかのような美しい作品構成でした。
ただ、あまりにクールでその軽快な描写に騙されてしまいそうでしたが、読者への問題提起は相当に深いものを感じました。
その後ぼくは、村上春樹氏が小説家である自身について『虚構を借りて真実を語る者』と表現していたり、さらに「考えを読者と分かち合うことによってのみ自分が存在している」と話しているのをYouTubeで観たりしました。
今や彼の発したメッセージは、現実に世界中の読者によって共有されてますよね。
40ヵ国以上の別の言語に翻訳されているらしいですから、凄いですね。
ぼくなどには想像もできませんが、本人には信念を世界に発する相当な高いレベルでの自覚と責任感があるのだろうと思います。

ぼくは、小説を含め様々な芸術に接するときに、あまり作品自体を分析することに惑わされずに(元来分析好きなのですが...)、その作品が自分に訴えかける真実とは何かという命題について、これまでの自分が生きた経験をその作品に重ね合わせて考えたいと思っています。
これは誰もがその人にしかできないという考察ですから、普遍性のある方法ですよね。
そして、これは僕自身が作品を創るときにも心がけています。
世の中の自然や創造物に接したとき、自分の中で沸き起こる”心が揺さぶられる現象”(好き、嫌いに関係なく)に
自分なりの見解を持つこと。
その意味を考えるプロセスがとても重要だと思います。
だからこうやって小説の感想を書くことなどは、とても意味のあることだと感じます。

ぼくは絵描きの端くれですが、また同時に一般の生活者として自分なりにある一定のフィルタを通して世界を見ていると思います。
それをできるだけ社会の観念を取り去った状態にまで見る目を昇華させて、作品づくりに取り組みたいと思っています。
それはなかなか難しいのですが、描きつづけることによってのみ、突破口が開けるという感覚があります。
そして何かを掴み、画面に表現し、社会へ向けて発信するとき、意識するしないに拘らず何らかの強いメッセージが作品に込められていると確信します。

芸術家には、ものごとの真実のある側面を社会に投げかける重要な役割があるとぼくは考えます。
世の中の大多数の人々が生きていくために自由に表現できないことでも、しがらみから独立している身なら世の中へ向けて、自分の心からの考えを自由に発信できます。
自分が発したことは、ほとんどの場合自分で責任が取れるからです。
もちろん、真実は一つだけではありませんし、多数の芸術家の作品には個々の生きざまによってそれぞれの断片が自然に表現されるものだと思います。
ただ、勇気と覚悟と志をもって、事に当たる必要があります。
ぼくは世の中に対して、できるだけそういう姿勢でいたいと思います。

さて、Yさんが話しておられた、空気さなぎの解釈ですが、本当にこれは難解ですね。以下は僕なりに考えた見解です。
まず小説に出てきたリトルピープルの説明ですが、ぼくはリトルピープルとは、この世に存在する、思想における善悪の象徴のようなものではないかと考えました。

西洋思想の善悪の象徴:
ギリシャ的4元徳(思慮と叡智・正義・忍耐と勇気・節制)
カトリックの定義する人間の7つの原罪(傲慢・憤怒・怠惰・強欲・暴食・色欲・嫉妬)

東洋思想の善悪の象徴:
儒教の八徳(仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌)
仏教の煩悩(108も!)

世界中にはまだその他の思想が山のようにありますから、まるで誰が読んだとしても、その人がリトルピープルをイメージしやすいように考えてあるかのようだとも思いました。
『知覚するものが空気さなぎの中のドウタ、それを受け入れるのが作らせた自分であるマザ。』
もしそうであれば、彼らが作る空気さなぎの中には、それぞれの我々個人が見なければならない幻覚が入っていることになります。
『幻覚も信じれば本物になる。』
こう考えると、我々は幻覚を信じながらそれぞれの作り物の世界で生きて、そして死んでいく存在なのかもしれません。
我々ができることは、この命を懸命に生きて、それをほんの少しだけ良いものにして、次世代の命に繋げてゆくことなのでしょうか。
我々は誰でも懸命に生きるための”生きがい”が必要ですよね。
もしかすると、その”生きがい”が空気さなぎの中にあるのかもしれません。

ところで、『空気さなぎ』の本があったとしたら、実際に読んでみたい気がします。
そうすれば、もう少し良く分かるかもしれませんね。

最近になって、オーストラリアでも1Q84の翻訳本が発売され、とても話題になっています。
オーストラリアでの宗教はキリスト教が主ですが、これがカトリック系とプロテスタント系に新興宗教やカルトまで合わせると、もの凄い数の宗派がこの国に存在します。
それに加えて多民族国家ですから、その他の国々のキリスト教も数多く共存しています。
さらに、イスラム教やヒンドゥー教や仏教があり、創価学会の支部まで近所にあったりします。エホバの証人の方々は時々自宅へ訪問してきます。
少し脱線してしまいましたが、この小説の青豆におこる処女懐胎(特殊懐胎)について、当然のごとくキリスト教の母体国家の人々は、新約聖書の中に出てくるマリアの処女受胎を連想する様です。

私の妻は、スコットランドのプロテスタントが先祖の家系なのですが、本人はもう教会には礼拝には行きませんし、彼女の両親や兄弟も同様に宗教に対してそれほど強い信仰があるわけではありません。
ただ、オーストラリアの社会全体にキリスト教的なものの考え方が定着していますから、一般的に日本人からはだいぶ ものの捉え方が違います。
主体性(西洋)と協調性(東洋)がそれぞれ相反する見方の主な代表例だと思います。

妻の誕生日が6月の上旬なので、1Q84の英語版をプレゼントしようと思っています。
彼女なりの感想を聞くのが楽しみです。

この小説を読んだことによって、そして現実にYさんとの思いがけないメールでの再会によって、もう一つしまい込まれていた、ある記憶がリアルな感情とともに蘇って来ました。
それは1985年当時、新宿のSビルで一緒に働いた女性に恋をしたことです。C.Tさんですが、Yさんは彼女のことを憶えておられるでしょうか。
彼女との出会いは、その後ぼくが生きる上でとても大きな影響を受けた出来事の一つになりましたから、今でも強烈に印象深く思い出されます。
一方的な片思いでしたが、彼女はその当時、大学浪人生だったぼくの生きる心の支えでした。
彼女が米国に旅立つ時にぼくに言った『生きていれば、またどこかで会える』という言葉はもう叶うことは無いかも知れませんが、きっとどこかで幸せに暮らしているだろうと信じています。そしてまたそう祈っています。

すみません、長いメールになってしまいました。

最後に、家のベランダの軒下に棲むポッサムのことですが、時々娘と一緒におやつ代わりにリンゴを切って与えています。
とても喜んで、おいしそうに食べてくれます。
それから、家族同様に一匹の雌犬も飼っていますよ。
名前はシェルビーといいます。
中型犬ですが、とても甘えん坊です。
最近は夜中に寒いので、一緒にベッドで寝ています。
Yさんも、わんちゃんと一緒に暮らしているんですね。

それでは、お元気で。
日本はこれから新緑が眩しいとてもいい季節ですね。
また、メールでいろいろお話ししましょう。
おやすみなさい。

緒方 慎二

掲載した絵のタイトルは、"Story Bridge with the crescent moon"です。
サイズは、47.4cm×70.8cm。

最上部のものは、ボールペンでの一発描きの段階です。
思ったよりかなり時間がかかりました。
着色は、水彩に加えて今回アクリル絵の具の蛍光色も使いました。
画像ではあまりライトアップの感じが出ていないのが少し残念。

今は目の状態が思わしくないため、液晶テレビ画面に写真を映して、それを見ながら度数の高い老眼鏡を掛けて描いています。
6月に予定していた日本でのレーザー近視治療の再手術は、来年の1月に持ち越されました。
もう暫く、野外でのスケッチはお預けです。
スタジオのみの制作は、この素晴らしいブリスベンの気候の時期には本当にもったいないですよねぇ。

2012年 7月 5日

2012-05-03

Do You Know "Nukazuke"? ぬか漬け始めました


I've just started making Japanese traditional pickle called "Nukazuke" recently and I'm enjoying making from various kinds of vegetables and those taste really really good.

If you never heard this before, I'll show you the article of this wonderful technique from Wikipedia. http://en.wikipedia.org/wiki/Nukazuke

If you're interested in Japanese traditional culture, this is one of the most popular things and maybe you have a opportunity having this pickle in authentic Japanese restaurant, but in Japan, people doesn't make their own home-made pickle in every house these days any more.

It's almost dying art in the home but it is still commonly made by chefs and commercially... bit sad.

I can say I never think that I would have done this if I was still living in Japan.
This is one of the ways to show my respect to the Japanese traditional culture.

"Home is where the heart is".

Hometowns should be thought of from afar,
while singing a sad tune.
Even if one should be down and out 
and reduced to begging in a foreign land,
one should never return.
Alone in this town at twilight,
I never think of my hometown without growing teary.Taking these words to heart,
I shall go back that long distance to the city. 
I shall go back that long distance to the city. 

Muro Saisei, A Strange Landscape(II) http://en.wikipedia.org/wiki/Mur%C5%8D_Saisei


※ The drawing on the top is from the Tuesday's session (Just Draw!) this week.
 What do you think?


最近、ぬか漬けを始めました。

実は、ぼくの知り合いの方が日本で数年間暮らすことになり、ぬか床をそのかたから先日譲っていただいたのです。
手入れが行き届いた素晴らしいぬか床なので、きちんと責任を持って引き継いでいきたいと思います。

早速、大根、きゅうり、かぶ、茄子、にんじん等を漬けてみましたが、とてもいい味です。
米を食べる回数が以前よりも増えました。

丁度利用している無農薬野菜の販売業者http://www.foodconnect.com.au/の注文リストにオーガニック玄米http://brisbane.foodconnect.com.au/groceries/grains/があるので、もっとも多い3kg($20)を時々注文していたのですが、今回は大量に注文したいと直接問い合わせてみたところ、20kgが$67と割安だったため早速購入しました。

これからぼくのオリジナルのぬか漬けの味が出せるように、いろいろ試行錯誤をしてみたいと思っています。

先日、妻に勧められオーストラリアではよく売っている、ビートルートという包丁で切ると鮮やかな赤紫色の汁が滴る、かぶの仲間の根野菜を漬けてみましたが、意外においしいという感想です。
また、こちらで採れる様々な食材を試してみたいですね。
今のところぼくが一番おいしいと思うのは、きゅうりと赤かぶです。

ぬか漬けがお好きな方は、お声をかけていただければ喜んでお分けいたします。
ブリスベンでぼくに会える方のみになりますが...

しかし、『故郷は遠きにありて思うもの』 とはよく言ったものですね。

 ふるさとは遠きにありて思うもの
 そして悲しくうたうもの
 よしや
 うらぶれて異土の乞食となるとても
 帰るところにあるまじや
 ひとり都のゆうぐれに
 ふるさとおもひ涙ぐむ
 そのこころもて
 遠きみやこにかへらばや
 遠きみやこにかへらばや 

 

 室生犀星「小景異情その」より http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%A4%E7%94%9F%E7%8A%80%E6%98%9F


ぼくが日本で住んでいたなら、自分でぬか漬けを作ろうとはあまり思わなかったでしょう。
こちらで交流のある日本人の中には、様々な「衣・食・住」に関する日本的なモノを自家製で創る人が以外に多いのです。
皆さんもおそらく、日本にいる時のように欲しいものが簡単に安価で手に入らないため、必要があっての場合も多いのでしょう。
そういう方々からとてもいい刺激を受けながら、日本の伝統的な”ものづくり”を自分なりに学びながら生活の中に取り入れていきたいものです。
何ともアートフルな生き方ですよね。

今思い出しましたが、 ぼくは将来自分の庭に『水琴窟』http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E7%90%B4%E7%AA%9Fを創るのが夢です。
これについてはまたの機会に書いてみたいと思います。

2012年 5月 3日


※ 今日掲載したドローイングは今週のセッションで描いたものです。いかがでしょう。



2012-04-18

Just Draw! ヌードデッサン会に参加しませんか?


I've been joining this life drawing session in Brisbane since 2007.
The artist, Dr Manuel Petavrakis (Dr.Manny) organizes this art session every Tuesday evening at the Brisbane State High School's art rooms called the "Art Factory".
I quite like this atomosphere with nice music and people who love drawing.
If you interested in this session, it cost only $10, so please join us!

もう、通い始めてから5年くらいになります。
週に1回ですが、とても集中してまた楽しみながら描いています。
今までのぼくのドローイング作品がこのブログでもご覧になれますので、お時間のある方は是非どうぞ。http://gatashan48.blogspot.com.au/2012/01/nude.html

毎週水曜日の夜、7:00pm~9:00pmの時間帯にサウス・ブリスベンにあるステート・ハイ・スクールのアート・ファクトリーの1Fで、 大人なら誰でも自由に10ドルでヌード・デッサンが出来ます。
一回のセッションに通常3名の素晴らしいモデルさん達が、それぞれ3つののセクションでポーズをとってくれています。
モデルは男性も女性もいて、それぞれの体や表情には世界中の様々な国のバックグラウンドを感じるため、大変描き応えがあります。

セッションの参加者の男女比は、ほぼ同じです。
学生から年配者まで幅広く、毎週80人以上が熱心にそれぞれの画材やスタイルで参加しています。

このセッションの主催者はアーティストのマニュエル・ペタブラキス(通称:ドクター・マニー)さんですが、彼はブリスベンで有名なArt Shedという画材店のオーナーでもあります。http://www.artshedbrisbane.com.au/Art-Classes-Brisbane?layout=calendar
http://www.truelocal.com.au/business/just-draw/west-end
もし興味のあるブリスベン近郊にお住まいの方がいたら、気軽に参加してみてください。
画材とスケッチブックさえあればOKです。
とてもいい雰囲気で、いい音楽を聴きながら、本当に豊かな時間が過ごせますよ。

※ The Drawing is which I drew last night's session.
掲載したドローイングは、昨夜のセッションで描いたものです。

2012-03-28

Talking about My View of Health 尿療法の効果やその他の健康法について




Since I was a kid, I have suffered from complex health problems, like many other people have.
Only a few people manage to live normally through their whole life without the help of the medical treatments we have available to us today.
Some people (including me) might have already died at an early stage of their lives... this could have happened.
So I guess we must say that we already depend a lot on western medication for our health.

My point of view about health is that we have to realise what we see would be better choice for our future medication.
Because, current western type medical system is gradually breaking down.
I think we can start to keep seeing deeply, thinking wisely and actually doing it each one of us with our body and soul.
This is mainly for our descendants.
We can start think about good quality of life and wellbeing.


今日は、絵に関する事柄とは少し離れたことについて話をしようと思います。

ぼくは、子供の頃から最近までいくつかの病気(=正常な生活を妨害する健康に関する事柄)に悩まされて来ました。
具体的に言うと、目(強度近視)、鼻(アレルギー性鼻炎)、歯(虫歯)の問題です。
『何だそんな事か』と言われそうですが、ぼくを含め、今日の我々の健康に対する見方がいかに医療機関任せなのかということが分かります。
世の中にはこれ以外にも肥満、体の凝り、アトピー性皮膚炎、アルコール依存症、うつ病、摂取障害、排泄障害、不眠症... などの健康に関する社会問題があり、数えればきりがないどころか、これからも新たな問題が増えつづけるでしょう。
これからの我々は、自身に責任をもってこの生活習慣病などから始まる様々な疾病やその他の心身の健康問題に真正面から目を向けていかなければなりません。

我が日本国は、国民が生きてゆく上で最低限必要な健康保険制度を1927年に発足させ、1961年には完全普及されて国民皆保険が達成されました。
もちろん、ぼくも例にもれずその恩恵に浴して来ました。
間違いなく、誕生してからオーストラリアへ渡るまで、確実に日本社会にある意味守られて生きてきたと言えるでしょう。

オーストラリアでも最低限の健康保険は存在します。
ただ、それだけでは全く十分ではないため、この国では任意の健康保険にも加入するのが一般的です。
どんな社会に生まれていようとも、人間として健康に生きていくことは 我々の基本中の基本です。
もし、ぼくが違う環境で生まれていたならば、近視も虫歯も花粉症とも縁がなかったかもしれないし、またあるいは別の病気でとっくに死んでいた可能性もあります。

世界において医療に関する格差はもの凄くあるでしょう。
ただ、実際にこれは一長一短の側面もあり、一概に発展途上国だからいい人生が健康的に送れないということでは全くありません。
先進国だからこそ、環境の悪影響を受けたり、現代医療の犠牲になり、健康的な人生を送れないことが思いのほかあるとぼくは考えます。

それから、もう歯止めが効かなくなっている格差社会です。
持てる者が医療の優遇を受け、持たざる者が十分な治療を受けられなくなって来ています。世界的に見ると日本はまだいい方かもしれません。
主にその中で生きる我々は、将来の医療及び医学を再認識しなければならない過渡期に生きていると言えるでしょう。
ただ間違いなく言えることは、現在そして近い将来の世界の先進国と言われる国々、あるいは日本の中でも主に行われている西洋型の医療システムが、破綻してきているという事実です。
もう少し敷衍すると、ヨーロッパに発祥する資本主義や民主主義が行き詰まっているからだとも言えます。

前回、ぼくは海外に出て日本の素晴らしさを確信したと言いましたが、 まさに我々日本国民は東洋のリーダーとして、厳しい状況を太古から生き抜いてきているその智慧をもって、この世界の危機を救う役割を担える存在であると思います。
だからこそ、もう一度我が国の成り立ちを見直し、その素晴らしい価値観に自信を持って世界に役立てていかなければなりません。
一度何かで読んだ話ですが、歴史を見ると東洋と西洋の文明の力関係が、約800年周期で交代しているそうです。
もしそうなら、これからは東洋が文明をリードする時代になりますね。
西洋が論理性なら東洋は感性です。
人間の脳が右と左に分かれているように、次は本当に右脳が優位脳になる時代かもしれません。
そうやって交互に働き合いながら、我々は進化してゆくのでしょう。

なぜ絵描きのぼくがこんなことを話すのかというと、 ここオーストラリアに海外移住した2004年当時、医療システムが日本と比べ多少違って一般的に高額ということもあり、金に恵まれない絵描きとしては、いかにお金をかけずに健康を維持するかについて真剣に考えたことがあったからというのと、1年後妻が妊娠して、40代での第一子を授かることとなり、子育てのための体力や健康維持がぼくの切実な問題になっていたからです。
娘が成人するとき、ぼくは60歳を越えることになりますが、年相応に老いてゆくとしても、それなりに気力と体力は充実させたいものです。
ただ、日本に住んでいたならば、これから書く健康法のことはあまり考えなかったでしょうし、実行もしていなかったかもしれません。
試行錯誤はありましたが、実際に試したことで目覚ましい生活上の好転がありました。

まずその前に、健康を考える上で重要なことは何でしょうか。
『食事』と思い浮かぶ人がやはり一番多いと思います。
『環境』というのも大切です。
『運動』、これはよく言われますね。
『呼吸』、我々が生存するための根源的なものです。
『気持ちの持ち方』、 これがもしかしたら一番大事かもしれません。
人それぞれにアプローチの仕方も様々あるでしょう。

ぼくが最初に思ったのは、「何のために病気を治し健康でありたいのかを、具体的な理由と共に意識しなければ、意味がないだろう」ということでした。
因みにぼくの場合は、絵を描くため、それから子供を育てるためです。
絵描きを職業に選んだ以上、ある程度は不安定な収入を覚悟しなければなりません。
健康ならば病気の治療のためにお金を使わなくて済む。
それで可能な限り、お金を節約することにしました。
実は、オーストラリアに住み始める数年程前から酒とたばこはお金がかかるという理由で、もうすでに止めていました。

実際に健康を強く意識し始めたのは、2005年に子づくりを夫婦で真剣に考えた時でした。
一時期(その当時からさらに10年くらい前)日本でも少し話題になっていた『尿療法』をたまたま思いだし、ネットを使って調べて見たところ、お金を使わずに健康を維持できる昔から世界各地で行われていた方法であることがわかり、自分でも試してみることにしました。
ぼくは昔からある一定の事柄についてだけ異様に意志が強いというか、頑固というか、そんな性格があり、決めたことは何が何でもやり通すという妙な気質にも恵まれているため(そのせいで別の失敗も数多くありますが)、今回のお金を掛けずに健康であり続けるという目標は順調(?)に達成され、今年で早くも8年目を迎えます。

現在ぼくが毎朝実行していることは、以下の通りです。
自分の尿を口に含んだ状態で、1分程喉に留めた後、溜飲する飲尿療法。
片方づつの鼻の穴から尿を吸い上げ、口から出す鼻腔洗浄。
尿を使用した両眼球の洗浄。
尿を使用した洗顔。

もう今は習慣なので、あたりまえに行っています。全く苦にならないので、おそらく命のある限り続けるでしょう。
もちろん『尿療法』は現時点での科学的な根拠がまだ証明されていない代替療法ですから、効果があると少しは信じて行うことが前提です。
気になる方は書籍やネットで簡単に調べられますので、ご自由に。http://www.amazon.co.jp/%E5%B0%BF%E7%99%82%E6%B3%95-%E9%A9%9A%E3%81%8F%E3%81%B9%E3%81%8D%E3%81%93%E3%81%AE%E5%8A%B9%E6%9E%9C-%E4%B8%AD%E5%B0%BE-%E8%89%AF%E4%B8%80/dp/4845411733/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1332770685&sr=1-1

実際に自分で感じている効果は、風邪を引いても症状があまり表に出ないことと、疲れ目でも充血が取れてすっきりすること、そしてこのオーストラリアの強力な紫外線の中でも肌がツルツルでみずみずしいと、特に女性から褒められることです(ぼくは男なのであまり重要ではありませんが)。
間もなく47歳を迎える現在、もちろん大きな病気をすることは、今のところ全くありません。
ぼくは人に勧めたりしないので、こういう人間もいるのだなと思っていただければいいのですが、もし本気でやりたい人がいるのなら、喜んでやり方は教えます。

近年はこの傾向が昂じて、一日二食療法も実行しています。おかげで内臓の調子が安定し、花粉症(ぼくの場合は主にハウスダスト)からも完全に解放されました。

さらに、一切の砂糖(加工飲料水、ハチミツ、ジャム、ドライフルーツも含む)を摂取しないことを決意して、新たに虫歯になることもなくなりました。
付け加えると、ぼくは睡眠時に口で呼吸する癖があります。
口の中が乾くと虫歯になりやすいので、駄目押しに口にテープを貼って寝ています。
その他、コーヒー、紅茶、緑茶も飲みません。
最近は乳製品(主に牛乳とヨーグルトが中心、バターとチーズは今でも時々料理に使用)をほとんど口にしないように生活していますが、おかげで胃腸の調子もさらに改善しています。
普段の食生活では、無農薬の玄米と野菜をとてもおいしくいただいています。
http://www.foodconnect.com.au/
玄米だけは高価なので、毎日食べられないのが残念です。
それから、野菜/穀物類と肉/魚の割合を7.5 : 2.5にしています。
どうしてかというと、人間の歯は75%が植物性食物の咀嚼、25%が動物性食物の咀嚼のために構成されているという、ある本の考えに共感したからです。http://www.amazon.co.jp/%E7%97%85%E6%B0%97%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E7%94%9F%E3%81%8D%E6%96%B9-%E3%83%9F%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%81%8C%E5%AF%BF%E5%91%BD%E3%82%92%E6%B1%BA%E3%82%81%E3%82%8B-%E6%96%B0%E8%B0%B7-%E5%BC%98%E5%AE%9F/dp/4763196197
さらに、血液型ダイエットも取り入れています。http://www.amazon.co.jp/Complete-Blood-Type-Encyclopedia-Right/dp/1573229202/ref=sr_1_cc_3?s=aps&ie=UTF8&qid=1332770510&sr=1-3-catcorr

運動に関して言えば、この坂の多いブリスベンでよく自転車に乗りますし、週2回のジム通いでウエイトトレーニングもしています(現在は怪我で静養中)。
ぼくの運動に対する考えは、主に精神の安定を有酸素/無酸素運動によって得ることです。
ぼくは非常に短気な性格で、時々激情に駆られ怒りにストップがかからなくなることがあることを自覚しています。そういう余分なエネルギーを運動で散らさなければなりません。

最後に目の問題ですが、ぼくは小学校3年生から仮性近視で眼鏡をかけさせられ、その後強度近視(両眼共に0.02)に進行し、ずっと不自由な生活を送って来ました。
もし災害があって眼鏡が紛失してしまったら大変です。
意を決して、昨年の6月に東京でレーザー近視治療の手術(ラゼック)を受けました。
あいにく手術がうまくいかず、乱視が強く残ってしまったため、今年再手術をすることになっています。
再手術者の割合は全体の約1%で、運が悪く稀なケースに入ってしまいました。
でもリスクを承知で手術を受けましたから、トータルで考えれば、現時点でもプラスになったと思っています。
ぼくが子どもの頃からずっと患ってきた、目と鼻と歯の問題がやっと(ほぼ)解消されました。

これは不思議に思うのですが、オーストラリアでは特に子供の近視と花粉症と虫歯の割合が日本に比べて非常に少ないのです。
さまざまな理由があると思いますが、ぼく個人も実際に日本で育ってこれらに苦しんできましたから、とても興味深く感じます。
その代わりオーストラリアでは、『肥満』は全ての年代における社会問題です。
ぼくはこの『肥満』に関して言えば、ただ人種の違いによる外見に表れるだけの差だと思っています。潜在的な体へのダメージは、日本人もそう変わらないでしょう。
しかし間違いなく言えることは、砂糖の取りすぎです。
砂糖を使った食品は世の中に溢れています。
最近、砂糖は虫歯の原因ばかりではなく、近視の原因にもなるといわれています。
特に歯は、健康を大きく左右するもっとも大切なものの一つです。
咀嚼が十分に行われなければ、直接内臓に負担をかけます。
花粉症も内臓の働きが悪くなるために起こるといわれていますから、全ては繋がっているのです。

わかりやすく言えば、私たちの子孫の健康を守るためには、人工で精製した砂糖を極力取らないようにするのが一番の近道だとぼくは考えています。
この世にはありがたいことに果物というものがありますから、それを中心に食べていれば全く問題ありません。
しかし、現実的には子供に砂糖や人工甘味料を使用した食品を全く与えない事は、かなり難しいとぼくでも感じます。
もちろん、社会生活を送る上で多少の『毒』は必要だとも思っています。
それにしても、今の世の中にはそれが異様に溢れ過ぎています。
子供の健康は親の責任です。
ぼくには、自分が経験した病気や疾患を子供には経験させないという決意がありますから、安易に対症療法に走るのではなく、知恵を使って予防をすることに力を入れます。

日本においてはメガネやコンタクトレンズ、花粉症の対策商品、歯科・デンタルケア等の商業/産業ビジネスがもの凄い市場となっています。
新たに病気に対する解決策が発見されたとしても、既得権益側の力があまりにも大きすぎて、正しい情報がきちんと一般の国民に伝わらないという弊害が出てきます。
日本はこういった姿勢を早く正していかなければなりません。
全ては、昨年の東日本大震災に端を発した、人災とも言える様々な状況で明らかになっています。
この教訓からも我々は学ばなければなりません。

人生における食の楽しみを放棄してまで、健康になりたくないという意見がありますが、その考えはごもっともです。
当然、ぼく自身の健康法については、これからまだ改善の余地があると思っています。
ただ、一般的に言われる人生の半分以上をこうしてすでに生きてきて、口においしい人工的なものは、もう十分に楽しんだと思っているので、基本的に悔いはありません。
さらに、これは自分の絵を通じて、生き様を残すための願掛けのようなものですから、闇雲にしている訳ではありません。
ぼくの友人に完全な菜食主義の方がいますが、彼女の方が数段厳しさにおいては上です。ぼくは肉や魚は以前より量は減らしましたが、まだまだ食べますからね。
もちろん、家族や身近な人には全く押し付けません。
ありがたいことに、この ちょっとした変わり者を、ただ黙って見守ってくれています。
一応、ぼくは家族のためにもやっていると思っているんですけどね。

医療に関する個人的な意見や情報を長々と書いてきましたが、現在進行中の健康法も試行錯誤の中で自分に合わないものは当然今後淘汰されます。
結果的に全て自分の責任によって、決して後悔しない健康法しか、ぼくはこれからも選ばないでしょう。
ただ、ぼく個人で試していることは、自分なりに考えた結果、実践していることですから、他の人に無理に押し付ける気は毛頭ありません。
誰もが、自らの健康を自分なりにもっと深く考えるきっかけになればと思っています。

はっきり言って現在、一般の人々の健康に関しての意識は高いようでいて、実際にはまだまだ医療機関任せになっていると思います。
医療は社会にはなくてはならないものですが、医療従事者だけではなく、患者の側も今までとは違った意識で病気を見つめることで、 ならなくでもいい病気から自分を守ることができるだろうし、運悪く病気になったとしても、それを素直に受け入れて改善することができるでしょう。
自分自身が 己れの健康の最終責任者でなければ、誰が責任を取ってくれるのでしょうか。
自分の命は自分だけのものではないのですから、もっと健康に関して我々は真に目覚めなければなりません。
東洋医学などを中心にこれから目を向けるべき健康医学の分野は、すでに数多く存在しています。
医療従事者からも、現在の医学や医療の限界を示唆する発言が目立ってきています。
病気を部分的に治療する事よりも、からだ全体を考えた治療がより良い事は、周知の事実です。
具体的には早期発見から一歩進んで、発病しない生き方を提案する智恵が今から特に必要になってきます。
簡単にありふれている、目や鼻や歯の問題も氷山の一角で、医療全体を根本的に見つめ直さなくてはなりません。
対症療法ではない、新たな医学の方向性も同時に探ることが大切です。
それは、きっとぼくたちの子孫にとって大きな財産になるはずです。

今申し上げたことは問題提起ですから、ご質問や持論、異論、新たな情報がある方は遠慮なく是非コメント欄へ内容をお寄せ下さい。

2012年 3月 28日(水)


※ Cape Leveque is the northernmost tip of the Dampier Peninsula in the Kimberley region of Western Australia.
冒頭に載せた絵は、西オーストラリア州の北部に位置するレベキュー岬です。
天国に一番近い場所として多くの人の心を惹きつけています。