Something Blue (A Wedding Portrait)

Something Blue (A Wedding Portrait)

2012-03-12

2011 (皇紀2671) 年 3月 11日(金) 午後 2時 46分


今日は、私たち日本人にとって特別な日です。
一年前の2011年3月11日、未曾有の自然災害でしたが、実はそれ以上にこの国を祖国とする私たちにとって、これからの生き方自体を問われる出来事となりました。

自問自答し、ぼく個人も生き方が変わりました。
一番大きかったきっかけは、自分自身が海外で初めて生きてみて「日本人」であることを強く感じさせられたある出来事からでした。
それはあの震災後、娘が通うブリスベンの小学校で、全校を挙げて開いていただいた、日本への義援金チャリティの催しでした。
オーストラリア国民から日本へ向けた、真っすぐな思いやりの心に接し、ぼくは強く胸を打たれました。

全校集会での校長による克明な当時の日本の状況説明から始まり、生徒からは東北の被災者に向けたメッセージの入った大きな折り鶴を、もうお一方の日本人と共に代表でいただきました。
準1年生から7年生までの生徒(現行では8学年)はもちろん、多数の職員や保護者も出席する中で、ぼくはお礼の挨拶をしながら、溢れ出る涙を止められませんでした。

日本を代表して、その思いに答えなければならないと感じました。
そのためにこれまでの自分の生き方を改め、少し大袈裟かもしれませんが、海外で生きる日本人として恥ずかしくない人間になろうと決意しました。
いただいた折り鶴は、福島県いわき市の被災したある小学校へ直接届けることが出来ましたが、その時、小学校の校長先生にいろいろなお話を伺うことで、日本人としての大切な「絆」を自覚しました。現地へ行くことが全てではありませんが、少なくとも直に足を運ぶことがどんなに重要なのかが分かりました。

実は、東日本での震災の2ヶ月ほど前、ブリスベンが40年ぶりの大洪水に見舞われ、地域の人々同士の団結がどんなに大切かを身に染みて感じていました。
それまで人見知りが激しく、人と交わることを極端に避けてきたぼくは、ブリスベンの地域コミュニティに溶け込むことも出来ませんでしたが、洪水後に片付けのボランティアなどをしながら、勇気を出してできる限り社交的になろうと努めていました。
そこに今回の震災が起こり、オーストラリアに住んでからそれまでは、日本人との接触も僅かしかなかったのですが、最近は日本人を見かけることがあれば、こちらから話しかけるようになりました。

海外から日本を眺めれば、現地との比較が容易にできるため、国内からは見えないものも見えてきます。良い事も悪い事も両方です。
ただ、個人的には海外移住後、日本の本当の良さを初めて確信した(それが何かは次回に持ち越します)こともあって、震災後は特に日本の為になる生き方をしたいと思っています。

心がけていることはただ一つ、気持ちを「誰か」(あるいは場合によって「何か」)と共有すること。
それは何のためか... おそらく自分の次の世代の日本人のため。
ぼくにとって日本人であることはとても重要です。そのために新たに勉強もしなければなりません。国際人であるための、必要最小限の資質を持つ日本人ではまだないと自分自身を省みて感じます。
そうあることが、現在お世話になっているオーストラリアという国への真摯な恩返しになると思います。

絵を描くときも、自分が描く絵であることに固執し過ぎずに、自分をしっかり定めて周りと自然に協調できれば、偶然にいいものが出来上がる気がします。自分で描いていながら「個」を越えた大きな流れの中で作品が出来上がる。これだったら、あまり構えずに画面に集中できそうです。

逆に言えば、歴史上あるいは現在のどんなに偉大な芸術家と自分とを比べても、同じ人間なのだから、気持ちの上では対等でいられます。
『芸術の神が降りてくる機会は、常に万人に対し公平である。』
常に芸術を創り出すことを考えながら行動し続ければ、そのチャンスに巡り会うことも多くなるでしょう。
共有する、あるいは自分を開いて他者と共感して初めて、何らかの感動が生まれるのかもしれません。
このブログで、自分の考えを吐き出すことも、誰かとの良き気持ちの共有となっていると信じます。

最後になりましたが、一周忌を迎えるにあたって、先の東日本大震災によりお亡くなりになられた方々に深く哀悼の意を表し、ご遺族の皆様、そしてさまざまなかたちで被災された多くの方々に対して、心よりお見舞いを申し上げます。

2012年 3月 11日(日)

※写真は、昨年の6月に訪れたいわき市の小学校です。
実際にぼくが折り鶴を届けたのは、この学校に当時 間借りをして勉強をしていた、被災した別の小学校の生徒の皆さんでした。今年は本来の校舎に訪れたいと思います。

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